科目名 Course Description 担当教員 Days
仕事の社会学 本科目は,産業別,職業別就業構造の基礎知識,社会階層,世代,ジェンダー,内部労働市場型と外部労働市場型,転職,日本型雇用慣行とグローバル化など,仕事に関わる現象について社会学的分析視点から講義を行う。
国際社会学 一国的・単一民族的な視点ではみえてこないような社会の諸問題を論ずる。英語圏ではTransnational Sociology, Global SociologyまたはRace and Ethnic Studies,日本語では「民族問題」とよばれてきた内容が中心となる。授業全体を貫くキーワードは植民地主義と近代性である。その観点から,グローバルな不平等,移民,レイシズム(人種主義),民族/国民,ジェンダー,記憶など,複数のトピックについて論ずる。ただ現状を論ずるというよりは,歴史的な観点から現代の問題を解明する。   パワーポイントや映像などの教材を用いて,なるべくイメージしやすい講義をこころがける。授業の理解を試すために頻繁に小テストを実施する。その際,授業で論じた内容に関連する論文を読ませることもある。また,年末年始の時期を利用して読書レポートを書いてもらう。 秋(火・木)
地域社会学 私たちの生活や人生は,さまざまなスケールにおける「地域」という制約から自由であることはありえない。この講義では,「地域」(中央/地方,都市/農村,国内外を問わない)というパースペクティブから,現代社会の諸課題について多角的に考察する。具体的には,以下の三つの大テーマに沿って,七つの小テーマを順に扱う。    (1)私たちにとって,「地域」とは何か。「地域」の定義や存在意義,あるいは「地域」特性の差異を捉える視点について考察し,この講義の問題意識を明確にする。(テーマ1)    (2)近年のマクロな社会変動(グローバリゼーション,少子高齢化,消費社会化,そしてウェブ社会化)のなかで,「地域」的な差異を伴いながら現れている社会現象をどう捉えればよいのか。この問題を,「地域間格差」(テーマ2),「地域間移動」(テーマ3),「産業/労働」(テーマ4)という三つの角度から考察する。    (3)私たちは,どのような「地域」のあり方を望ましいと考えるのか。ここでは,経済規模拡大が困難な中での「地域開発」の方向性(テーマ5),人口減少社会に対応した「縮小社会」のデザイン(テーマ6),コミュニケーション環境が変化する中での「地域社会(コミュニティ/ネットワーク)」の(再)構築(テーマ7)という三つの論点を取り上げ,それぞれに考察を深める。
家族社会学 テーマ1:臨床家族社会学   こころは,まわりに誰もいない真空の中に漂っているのではない。生きるということが,人と人とのつながりを通してのみかなえられる以上,こころの問題もつながりをもつまわりの人たちとのやりとりをもとに理解し,その変化を考えることが大切だ。私たちにとってもっとも基本的なつながりである家族関係の視点から,こころの健康や成長を考える。  テーマ2:現代日本の家族を知る   日本社会の最小集団であると,一般に思われている家族について,歴史的変遷,ライフコース,役割と機能,家を取り囲む諸環境との関係,結婚,家事や子育て・子育ち,ジェンダー,市民性や社会的信頼の形成などの問題を取り上げる。個人化がさらに進む日本社会の中で,これからの結婚・家族像がどのように変容してゆくのかについて考える。 秋(月)
情報社会学 本科目では情報と社会の関係を現代的なトピックスを取り上げて読み解いていく。
教育社会学 今年度は,教育社会学における計量的なアプローチを取り上げ,計量分析の方法も併せて習得することを目指す。  具体的には高校生の進路意識や生活意識に関する計量分析を取り上げる。高校生の進路選択や学校生活を研究する枠組みを踏まえた上で,どのような計量分析が可能なのか,結果をどのように解釈すればよいのかをいくつかの計量モデルを用いて解説する。数式や図表なども用いて講義を進めていく予定である。
災害社会学 災害は理学や工学の研究対象と思われがちである。しかしながら地震や津波,あるいは洪水・土砂の崩落などの自然現象に対して社会の防災力が万全に対応できれば被害は発生しない。言い換えるなら,①被害の発生を抑止するための予防的な備え,②被害が万一発生してもそれを最小限にとどめるための事前の備え,③それにも関わらず災害が発生した場合の効果的な緊急対応,④そして被害が拡大した後に社会を復元させていくための努力,といった社会の側の対応(防災力)いかんによって災害の規模は大きく左右されるのである。つまり,災害因は理学・工学的現象であるのに対し,災害は社会的現象として考えることができる。災害が社会的現象であるならば,社会の側の対応によってその被害を合理的に制御することもできる。災害による生命や財産の被害を軽減するために社会学者はどのような問題に取り組んでいるのかを本講義ではできるだけ体系的に講じる。 春(木)
社会学概論 現代社会学の概要を,共同性(家族・地域・友人),平等(階層・教育・福祉),資本主義(大衆・組織・グローバリゼーション),意味(メディア・ネットワーキング・原理主義)のテーマに沿いながら解説する。2コマ続きの授業の後半は,各テーマに関する多様なデータを示しながら,その読み解き方を学ぶ。  ※この科目は,社会調査士のために必要な履修科目[C]に該当します。
社会学特講Ⅰ 【共生と排除の社会学】 国境を越えたグローバルな活動や過程が拡大し、社会の諸領域で(多文化・多民族化をはじめとする)多様化が加速しています。こうした中、一つの国という単位で社会の諸事象を考えたり、社会のメンバーシップと国籍の一致を自明視するような社会観は大きな転換を迫られつつあります。その一方で、近年、世界の様々な地域で排外主義やレイシズムが台頭し、政治にも大きな影響を与え、社会の分断が深まっています。このような状況下で私たちに何ができるのか。本講義は、このような転換期に社会と世界を捉え直すためのいくつかの社会学的基礎概念や視座を学び、「排除」の問題と向き合い、「共生の危機」を乗り越える手がかりを、都市という場を起点にして考えていきます。
社会学特講Ⅲ Course in English which explores various aspects of contemporary Japanese society from anthropological and sociological perspectives. 秋(月)
社会学理論 <ポスト産業社会とネットワークの理論>   20世紀の終盤からグローバリゼーションと情報化が急速に進み,私たちの社会もそれを解明する社会学も大きく変化しつつある。世界の基盤となる資本主義経済は,それまでの工業中心から金融や科学技術・サービスを中心とするポスト産業社会へとシフトし,効率重視の企業や行政の組織は,新たな価値や意味の創造を志向するネットワークへと転換しつつある。他方で,欧米をモデルとしてきた近代化に激しく対立する潮流も大きくなりつつある。これらは一時的な混乱ではなく,今後,私たちが生きていく社会の前提になる可能性が大きい。この講義では,これらの変動への理解を深める上で重要な理論を紹介しながら,歴史への考察を深めていきたい。  (1)資本主義は16世紀に誕生した当初からグローバルな本質をもっていた。ブローデルの「世界=経済」やウォーラーステインの「世界システム」の理論を紹介しながら,その現代的な意義について考察する。  (2)長らく近代化は西欧社会を中心的モデルとして理解されてきたが,そこには普遍的な合理化のプロセスとともに,非欧米社会も含めた固有の適応プロセスと移行の危機が発生した。ティリーの動員理論やトッドの歴史人口学を紹介しながら,1968年革命後の社会文化的マイノリティによる公共性やグローバル社会におけるアイデンティティに焦点をあてて考察を進める。  (3)20世紀末以来,情報技術の急速な発達により,社会の革新と破壊のメディアとしてネットワークの重要性が高まりつつある。社会ネットワーク理論の展開と現在の到達点までをたどりながら,受講者各自の問題関心との接続を試みる。
社会学説史 社会学は19世紀から20世紀にかけて,フランスおよびドイツにおいて形成された。草創期の社会学者たちに一貫しているのは,新しく誕生した産業社会(資本主義社会)において市民(あるいは国民)の生活はどうあるべきかという現実的な関心だった。  この講義では,社会学者たちの研究を紹介しながら,単に過去の学説として学ぶのではなく,それらが21世紀の社会や世界においてもつ意義を考えていきたい。
社会心理学 社会学・社会学的社会心理学(社会意識論)・心理学的社会心理学(態度研究や実験社会心理学)の種々の知見をもとに,人々の行動・意識と社会や集団の状態・制度との関係について,基本的な枠組みを提示する講義。社会に生きる人々の意識との関係で社会の秩序や無秩序が考察される。
社会統計学Ⅰ-1 推測統計を学ぶ。授業では推測統計の基礎的部分についてわかりやすく説明する資料が用いられる。確率論の基礎,確率分布,推定・検定(平均の差の検定,関連性の検定,相関係数の検定を含む)などについて講義がなされる。